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読書感想文について

 夏休みの課題の定番、みんなが苦手な読書感想文。多くの学校で全員提出みたいですね。
 本のあらすじを書いておしまい……という人も少なくないかもしれませんが、読書感想文というのは1冊の本をじっくり読んで、考えて、それを文章にするという非常に高度な作業に取り組める貴重な機会です。批判的な人も多いですが、せっかくなので腰を据えて本気で取り組んでみてはいかがでしょうか?得られるものは少なくないと思います。
 以下では、夏休みの前に読書感想文の取り組み方、考え方のコツというかヒントになるようなものを書けたらと思います。ご参考になれば幸いです。

  • 本のことではなく、自分のことを書く

 苦手に思う理由には人それぞれ色々あると思いますが、主なものの一つが「読書感想文は本を読んだ感想を書くもの」という認識があるから、かもしれません。「読んで思ったこと、感じたことを書けって言われても……原稿用紙2枚以上(800字以上)なんて無理!」ということですね。
 でもそもそも「作文」というのは、「何か」について書くのではなく、他でもない「自分のこと」について書くものです。ですので実は作文の一種である読書感想文というのは、読んだ本のことではなく「その本を読んだ自分のこと」を書くものです。つまりは「自分語り」をすれば良いということ。
 (「本を読まずに書いた読書感想文が賞を取った」なんていう笑い話というか、自慢話というか、そんな話もありますが、あながち不可能ではないかも……)

  • 本選びが大切。物語を選ぶときには慎重に。

 「自分のこと」について書くので、本を選ぶときにも自分の興味関心や自分の身の回りにあることなど、自分につながるもの、という考え方で選んだほうが結果的に書きやすいでしょう。
 多くの子が物語の本を選びがちです。普段本を読まないけど、少しでも楽しく読むのが楽そうなもの…という考え方でしょうか。それとも推薦図書の中から表紙だけを見て、でしょうか。
 確かに物語は読みやすいですし、ノンフィクションや説明的な本に比べると使われている言葉も易しいです。が、作文にしやすいかというとそれは別です。
 物語は大抵、主人公が抱えている悩みや周りで起こった問題を、本人の努力や周りの協力を得て解決していくというのを、主人公の成長とともに描いていくものです。
 もしも、その主人公の悩みや問題、置かれている環境が自分と重なる部分がありそうであれば、感想文の題材としてうってつけかと思います。ですが、逆に自分と全く共通点を見出せそうにない主人公であった場合、学校の先生が求める感想文を書くのは大変かもしれません(個人的にはそういう物語こそ読む価値があると思いますが)。

  • ノンフィクション系がオススメ

 一方で現実の出来事や現象、人物などを題材にしたノンフィクションや解説的・説明的な本は、語彙が難しいことが多く、読みなれない場合には読み通すのも億劫かもしれません。ただ、現実に起こったこと、あることを元にしていますし、テーマがはっきりしていて選びやすいので「自分」に結びつけやすいです。サッカーが好きならサッカー選手が書いた本、ゲームが好きならプログラミングに関する本でも良いでしょう。自分が旅行に行ったことのある場所、行きたい場所についての本でも面白いかもしれません。
 書店などではおいてある本に限りがありますが、ネットで検索すれば無数の本があるので、自分に関わるキーワードを入力して探してみると良いでしょう。