洋書紹介

“Harry Potter” シリーズ

 言わずと知れた有名作品。シリーズ全てが映画化され、最近になっても続編となるシリーズが映画化されたり、日本にテーマパークが作られたりと、世界中で長く愛されている作品です。

 幼くして両親を亡くした主人公ハリーは、ダーズリー一家という親戚の夫婦と一人息子ダドリーと暮らしていましたが、その扱いはひどいもの。児童虐待レベルでした。しかし、11歳の誕生日、実は両親はヴォルデモートという強大な悪の魔法使いに殺されて、自身も魔法使いだったことが明かされ、ホグワーツ魔法学校で学ぶことに。宿命の敵ヴォルデモートととの闘いを軸に物語は進み、作品の中では特殊な魔法界のアイテムや奇抜な魔法使いの習慣が数々現れます。

 英語学習の一つの目標ともされるこの作品の原書リーディングですが、数々の本やブログなどで、意気揚々と読み始めても十分な英語力がないとすぐ挫折する、と紹介されています。私自身、その評判を気にしてなかなか手を出さなかったのですが、読んでみると1巻は意外と読みやすかったです。ただこれは、昔日本語版を読んでいたこと、その後映画も見て、ストーリーもそれぞれのシーンもよく覚えていたからかと思います。特に1作目の映画は原作のボリュームもそれほどではないため、かなり丁寧・忠実に映像化されているので、映画を見てから読むと理解度が全然違うと思います。しかし、2,3作目と進むにつれ、1作品のページ数は増え、新しい魔法用語や登場人物も登場し、英語も見慣れない表現が増えてくるので要注意です。映画もすべてを映像化するのは時間的に難しかったらしく、原作にあったシーンがカットされることが多くなっていきます。ただ、逆に言うと原作をきちんと読むことで映画を見ただけではわかりづらいシーンの意味が理解・納得できるので、併せて楽しむことができると思います。

 シリーズ全て合わせると100万語を超えるので、すべて読むとなると数か月、下手したら1年とかかかるかもしれないです。なので、1,2巻でとりあえず区切りをつけるのもいいかもしれません。ただ、有名人気シリーズなので、作中に出てくる登場人物や道具の解説が、日本語でも英語でも動画やサイトで詳しく紹介されているという、他の作品にはない特徴があるため、じっくりと腰をすえて取り組むのにも向いています。