洋書紹介

”Holes”  Louis Sachar

 洋書の多読となると必ずと言っていいほど挙げられる本書。英語の多読が(ある程度)できるかどうかの試金石的な本のようです。物語の対象年齢としては、おそらく小学高学年から中学生くらいで、主人公たちも中学生くらいの年齢です。とはいえ、話がどう展開し終わるか予想できないストーリーや散りばめられた伏線、語られる過去の因縁など、大人が読んでも楽しめる一冊です。

 英語のレベルとしては、大人向けのものに比べれば簡単でしょうが、とはいえ英検2級合格くらいだとスラスラと読むのは厳しいかも。話の筋は追えるとは思いますが…。私自身、2回読んだのですが、2級レベル+αくらいで読んだ一回目は何とか最後まで読み切れたけれど、細部がよくわからず若干もやもやが残りました。英検準1級合格後に読んだ2回目は物語や場面の解像度が全く違っていて感動したのを覚えています。

 あらすじとしては、非行少年の更生という名目で、主人公を含む少年たちが、雨が全く降らない荒れ地をひたすら穴を掘らされるところから始まり、やがてその本当の目的が明かされていきます。読みはじめは主人公たちと同じく、なんでこんなことさせられんねん、という感じで、ところどころに挟まれる過去編もどう繋がっていくのかさっぱりわかりませんが、物語の途中で出てくるもろもろ、謎の歌やたまねぎなどがやがて要所要所で重要な役割を果たしていきます。

 そうした伏線を確認する意味でも二回読んでも楽しめます。1度目は日本語で読み、2回目は英語で読むという方法でも楽しめると思うので、これから英語多読チャレンジする人には、やはりおすすめの一冊です。