コラム

読書感想文の作成例 その1

数年前に生徒が書いた読書感想文を二つご紹介します。ご参考に。

一つ目はあさだりんさん『まっしょうめん!』を読んでの読書感想文。多分、書いた時、生徒は小学5年生だったかな?終盤は省略しています。

 主人公の成美は、弱い女の子だ。自分の言いたいことが言えないし、すぐあきらめてしまう。剣道を始めても、練習がきつくなるとすぐにいやになって、やめたいと思ってしまう。そんな成美の様子を読んでいて私は、「もうちょっと続ければいいのに」と思った。自分だったら最低でも、一年は続けようと思う。

 けれど私も成美のことを言えない。失敗することをこわがってしまうし、めんどうくさがりだ。勉強でわからないところがあるとすぐに怒ったり、泣いたりしてしまう。だから練習がしんどすぎたら、成美と同じように自分もやる気がなくなってしまうかもしれない。

 でも最初はそんなだった成美も剣道の練習を続けることにする。それは、支えてくれる両親や熱心に剣道を教えてくれる監督、やさしい剣道仲間の石田くん、そして憧れである茜がいたからだ。茜は、成美と同級生だけれど、小さいころから剣道を続けているからとても強い。しかもそれだけでなく、勇気があって自分のしたいことを自分からできる人だ。

 私は小さいころからスイミングスクールに通っている。そして、成美と同じように私のことを支えてくれる人がいる。それは私の両親と、仲良しだけれどライバルでもある友だちのHちゃんだ。両親は私のために、スイミングへの送り迎えをしてくれるし、練習にもつき合ってくれる。それに、うまく泳げるためのアドバイスをして、いつも応援してくれる。Hちゃんは、私より後からスイミングを始めたけれど、ずっと私より泳ぎが上手で、タイムも良い。しかも学校の成績もいいし、ファッションセンスもある。だから私は、Hちゃんのことをいつもすごいと思うし、そんけいしている。何でもできるから、少しくやしくなってしまうことすらある。だけど、Hちゃんがいつも近くにいるから、私も同じくらいできるようになるためにいろいろなことをがんばれる。そんな両親と友だちの支えがあったから、始めたころは、顔を水につけることができなくて、泣いてばかりでいやだったスイミングも、今では個人メドレー100Mが泳げるようになった。おかげで根気も体力もつけることができた。
(以下略)

 スポーツに取り組む少年・少女を描いた小説から、自分の習い事の経験と照らし合わせて自分が学んだこと・成長したことを書いています。一生懸命にやっている習い事がある子なら、同じように書きやすいのではないでしょうか。